コンピューターミシン、友達にも紹介したいどれにしようかなぁ~♪
アンティークミシンの整備の続きです。
シンガー201K イギリス製のミシンで水平ガマの初期タイプです。
これもまた、珍らしミシンです。 33年ミシン屋勤務していますが、お客様宅で見たのは1回だけです。 黒ミシンをお使いの方は、たまにありますが、水平ガマはほとんどありません。
裏からの画像ですが、丸いボックスの中はギアがあります。
上軸の回転を、本体の立て軸、下軸、そしてカマを回転するようになってます。
ギアの連結部分が3箇所になります。
現在の水平ガマは、カマギアのみでベルトを使いカマを回すようにしています。
(この様な造りは、手間がかかるのでしょうが、丈夫です)
水平ガマです。 正面から見て左側についています。この後、分解してサビを落とします。
カマギアのボックスを開けてみました。 グリスは茶色になっていますが、固くなっていなかったので、そのまま閉じました。 (これを掃除するのは・・・・・)
サビがきていますが、この後、ワイヤーブラシ、サンドペーパーなどを使いサビ落としをしました。 (取り外しにはちょっと時間が掛かりました)
取り付けました。結構きれいに写っています・・・・・ (カマの中のネジを緩めて取り外しましたが、これが逆ネジ・・・・右に回してゆるみます。)
下糸巻装置とはずみ車です。下糸巻部分がメッキで剥がれかかっていた為、あまりきれいにはなりませんでしたが、巻けるように調整して取り付けました。
糸調子ダイヤルを分解してみました。ちょっとバネの動きが悪かったので、ついでに磨いておきました。
水平ガマを横から撮ってみました。 写りがよいのか、磨きがよいのかきれいに撮れました。
注目は、針の取り付けです。家庭用の針で良いのですが、右から左に通します。
したがって、平らな面が左側です。(左側(カマの方)から通したらすぐに針から糸がぬけるか、切れてしまいます)
手回しで縫ってみました。問題なく縫え、返し縫いも問題ありません。表面に油を塗って光沢を出しきれいになり、修理完了です。
このタイプは、初期の水平ガマです。(多分これが水平ガマ1号機だと思います)時代は黒ミシンですので昭和20年代だと思います。 市場に出回っている戦後の黒ミシンは、宇都宮で生産の191U型は、いまでも見受けられますが、このタイプはイギリス製ですので高価な品物だと思います。 また、ボディは鉄では無く、アルミ製です。黒ミシンでは見たことありません。 持ち運ぶ時、あら~軽い~と感じました。
今では、家庭用のほとんどのミシンが水平ガマですが、シンガーが特許を取っていて、長年作ることができませんでした。 (約30年くらいでしょうか?今では10年くらいで特許切れですが当時の特許は長かったようです)
そのため、ジャノメは、1980年頃、カマの回転止めを2つ使い水平ガマを開発、、コンピューターミシンメモリアやエクセルに、改良型水平ガマを使っていました。
ブラザーは、特許を買取り、30年くらい前にコンパルLを発売、他のメーカーの高額ミシンは工業用全回転ガマを使っていました。
水平ガマは、内ガマを硬い樹脂でつくり、油を差さなくても縫えますが、工業用全回転釜は油を差さないと、音が非常に大きくなったり、動きが悪くなったり、糸調子が悪くなってしまいますし、ひどいと動かなくなります。
その後、特許が切れ25年くらい前から、各メーカー水平ガマを売り出してきたのを覚えています。
(年代や水平ガマの件は、私の記憶ですので、間違いがあるかもしれません・・・・・ご了承を)